シェフのティエリー・マルクスは、ANAORI フランスのアンバサダーシェフです。ティエリーシェフにkakugama についての3つの質問をしました。
あなたの職業上の経験によると、ANAORI Kakugama と他の調理道具の違いは何ですか?
他の調理道具と比較したkakugama の利点は、その一貫性と環境への配慮があること、つまりkakugama のエネルギー消費量は他のどの調理道具よりも優れているという点です。これは電気やガスであろうと経済的観点から見ると、今日では非常に大きな利点です。またこの素材は蓄熱性があり、はるかに規則的な対流を作ることができます。
ANAORI kakugamaは、あなたの料理にどのように貢献していますか?
何にでも対応できる万能ツールでグリル、シチュー、ロースト、kakkugamaがあれば何でもできるし、発酵料理もできます。ありとあらゆる方法で、また想像を絶するような方法で使用しています。例えば、サワードウスターターは、私自身が食べるパンはもちろんのこと、提供する料理のためにも作っています。また、野菜や種の発酵や、手羽先の焦げ目をつけるため、肉汁も作ります。そして、伝統的な煮物やラムカレー、野菜カレー、またはチキンフリカッセなど、その料理に合わせた煮込み料理を作ります。利点としては、ボリューム(サイズ)が適度で、簡単に収納でき、食卓に並べてお料理を提供できるところです。また私にとって、とても便利なのがグリルパン(外蓋)です。グリルを温めて、kakugama をテーブルに持っていき、お客様の目の前でグリルで調理を完成することができます。
kakugama は、食材の風味や栄養価を引き出し、基本に立ち返るために開発され、伝統的かつ革新的で、まったく新しい視点をもつ調理道具です。近年、料理界では、効率性、緻密性などの高度な技術、スチーム・コンベクション、真空調理、分子調理などの先端技術の価値に重点を置いた調理法がいくつか考案されています。この進化を良しとするシェフもいれば、もっとシンプルでクラシックな料理がいいと考えるシェフもいますが、シェフはどう考えますか?
進化はあっても、革命はなかった。
対流と火が基本です。料理とは、「術、火、時間」、これが料理のすべてです。分子料理は料理ではなく、製品の変容のメカニズムを理解するための道具です。ビニール袋を使ったいわゆる低温調理はその後誕生したのですが、あまり面白くなく、かつ現代的ではありません。私の曾祖母は、厚手の鍋でじっくり低温にかけた後、火を消して翌日キャセロールを取り出すという、低温調理をすでに行なっていました。プラスチックを使用せず低温調理もでき、焦げ目付けや、スチーム調理やグリルなど全部できる様になりました。つまり、いろんな道具を使わなくても、全ての調理がkakugama1台でできるのです。よく日本が私たちに気づかせてくれることは、美しさと便利さの間に対立がないということ、それと同じように、伝統と革新の間にも対立がないということです。kakugama は料理の総合であり、プロでも趣味でも、料理が好きな人のために、煮物や調理時間の短縮など、あらゆる料理にアプローチできる総合物なのです。このkakugamaは、キャセロール(低温料理)に特化しており、調理時間を効果的に短縮できるので、栄養価の高い熱を保つことができます。そして、素晴らしい木蓋は、食材の風味を保つ気密性があり、非常に芳しい香りがするこの木材のおかげで、さらに風味を加えることができます。これだけでも全てが集約されていますが、さらにグリルでまで追加されるので、この1台で全ての調理が可能となります。kakugamaはすべての調理方法を総合している調理道具で、料理好きな人なら誰でもすぐ手に入れたいアイテムです。kakugamaは電気に接続するものでもなく、デジタル化もされていませんがが、料理がなんであるのか、キッチンの本質に対応しています。料理とは?それは、一時的なものに記憶を与え、素材の持つ本来の味に可能な限り近づけながら、味わいに快適さを与えるtとこです。過度のクラシック思考でもなく、モダン思考でもありません。ただかんがえられるkakugamaの利点は、加熱して火を消して熱がkakugamaに蓄えられ、温度が下がりながら徐々に調理が行われることです。料理には進化がありますが、革命は一度もありませんでした。料理における一般的なことは、火であれ蒸気であれ、熱の対流モードで食材に火入れをすることです。常に同じ関係であるのは、伝統料理とその革新の間に深刻な対立はなく、進化とは単純な適応であり、それ以上の特別なことは何もないのです。
プロフィール
ティエリー•マルクス |