Secret story behind the development of ANAORI products

ANAORIプロダクト 開発ストーリー

ANAORI創設者 穴織英一が4~5歳の幼少期の話に遡ります。亡くなった英一氏の父が冬になるとよく、「カーボンで焼いたらなんでも美味しくなるんやで~」と言いながら、七輪で甘くてホッカホカの焼き芋を焼いてくれたそう。七輪の中には、カーボンブロックが炭の代わりに入っていたのです。
 

それから20数年が経ち、英一氏が常連としてお世話になった自宅近くの居酒屋がありました。そこのマスターは昼は軽トラックで石焼き芋を売り、夜は居酒屋を数店経営する関西飲食業界では有名な企業家でした。その頃、世の中は不況の真っ只中、当社もその波にのまれ受注量は激減しており、これを打開する何か良い商品開発はできないものか?と日々思案していました。ある日、そのお店のマスターから、石焼き芋の話を聞いた英一氏は「カーボンで焼くと遠赤外線効果で石で焼くよりも美味しく焼けるかもしれない!」と話をしたのです。「では試してみよう!」と返事をもらい、簡易なカーボン焼き芋器を試作し、すぐにマスターのところへ持って行きました。​数日後、何種類かの芋を焼いた結果、どれもが素晴らしく美味しく焼けた報告があり、「これはいけます!」とのお墨付きをもらいました。そして「きっとこれでお米を炊いたら、遠赤外線効果で美味しいんだろうね。」と話が盛り上がり、次に開発に取り組んだのが、そのお店の人気商品である羽釜タイプ形状で、1合炊きの釜飯用の釜でした。
アルミ製の使用されていた釜を借りて、カーボンならではの割れやすさや欠けやすさなども考慮した試作品を作りました。完成後は、カーボン製の釜で何度も炊飯テストを繰り返していただきました。すると予想通りとはいえ「今まで食べたことのない旨味がお米から出ている!」と連絡があり、英一氏も試食させてもらったそうです。​
それはそれは本当に美味しく、驚きを超えて言葉では表現できないものだったそうです。お米の艶といい、甘味といい、これまで電気炊飯器で炊いたご飯の味とはまったく違うものだったようです。


これにて当然のことながら、こちらのお店でカーボン釜は採用となり、商品として世にお披露目となりました。それから数ヶ月後、友人でもあった京都や北摂地区の有名な焼肉店の店長が、あるお客様から「お前のところの店は肉はめちゃくちゃ美味しいけどご飯は普通やな」と言われ、英一氏に「何か良い改善方法はないか?」と相談があったようです。迷う事なくカーボン釜を採用した居酒屋を紹介し、一緒に食べに行くことに。するとその店長は「これは美味しい!」と驚き、興奮を隠せませんでした。そしてすぐに採用が決まり、このお店では2合炊きの羽釜タイプのものを数十個納入させていただきました。そしてこれがその後某電機メーカーの高級炊飯器に採用され、ヒット商品となっていくとは予想もしておりませんでした。


それから数年後のことです。当社へ某電機メーカーより電話があり「貴社でカーボンの釜は作れますか?」との問合せがありました。当社営業担当者は即答で「出来ます!」との回答。早速電機メーカーの開発責任者の方が当社へ来られて打合わせをおこなうことに。​そして夕方までの打合わせが終わり、開発責任者の方を高槻市にある焼肉店にお連れし、実際に食べてもらうことに。そのお店では「炊きたてご飯」という名前で2合の炊きたてご飯を1,000円で販売していました。待つこと1時間くらいでしょうか。店長が直々にカーボン釜で炊いたこの美味しいご飯を持ってきてくれました。​そして羽釜の蓋を開けてご飯をみると…そこには綺麗なカニ穴と艶々の美しい銀シャリが。開発責任者は食べる前に写真を撮りまくり、そして完食。すると一言目に「これです!これで作った炊飯器が作りたいんです!」と興奮した口調で私たちに気持ちを伝えてくれました。


それから2年半の歳月をかけて発売されたのが、某電機メーカー様より発売された世界初のカーボンを内釜に使った電気炊飯器であります。これはカーボン・グラファイトという素材で作られた製品が、工業分野だけでなく、一般消費材として量産されたほぼ初めてのケースと言って問題ないでしょう。この開発期間にこの釜に使う素材の選定、遠赤外線の量や調理道具としての安全性など多くの分野でテストを繰り返し、カーボン製品メーカーとしてのデータ蓄積を行ってきました。当社はこれまでカーボン・グラファイトで作った調理道具は数十種類に及びます。また会社の保養所にはカーボン・グラファイト製のピザ釜や燻製釜、ダッチオーブン、そしてカーボン・グラファイトを浴槽に敷き詰めて作った露天岩風呂ならぬ露天カーボン風呂もあります。カーボン風呂は身体の芯から温まり、高い遠赤外線効果を実体験できる素晴らしいものです。この保養所では、カーボン・グラファイトの本物効果を社員やその家族、お取引様の皆さまに実際に体験していただき、ご意見を頂戴する場として現在も活用しております。


その中で一番ご要望をいただいた商品が、多目的調理道具であるカーボンポットです。炊く、煮る、焼く、蒸す、解凍といった多岐にわたる調理を可能にし、直火やIH、オーブンといった熱源に対応します。私たちはカーボン・グラファイトの良さを最大限に引き出し、カーボン調理道具として大きく幅を持たせた製品を作りたいと常々考えており、カーボンポットのハイエンドラインとしてANAORI kakugamaを開発販売し、現在に至ります。

カーボン・グラファイトの可能性を見出し進化させていくこと、それが私たちカーボン製品メーカーとしての使命であり任務であると思っております。

アナオリカーボン製品は60年を超える私たちの経験の集大成の一つであると言えます。

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